RE:BORN戦闘描写~零距離戦闘術に魅了された

「RE:BORN」は本作の戦術・戦技スーパーバイザーであり、アビスウォーカー役として作品にも登場する稲川義貴氏が創設した「零距離戦闘術(以下ZRC)」をベースに「戦闘」が繰り広げられる。現在一世を風靡している「HIGH&LOW」の劇場版第二作「HIGH&LOW THE RED RAIN」にてスポットがあてられた雨宮兄弟が使っていた格闘術として耳にした事がある読者も多いだろう。

 

 

零距離戦闘術ーゼロレンジ・コンバットとは

日本古来の武士道精神と侍・忍者の合戦技術、身体操作をベースに、筋力に頼らず重装備での極限近接戦闘と剛柔一体を可能にした、国内外の現代戦闘技術を融合して作り上げた新時代の野戦型・近接戦闘術。(RE:BORNパンフレットより抜粋)

 

 

今まで空手、柔道、拳法、MMAジークンドー、シラットといった様々な武術を嗜んできた筆者であったが初めてZRCを知った時衝撃が走った。スポーツとは違った完全実戦想定のCQCであり、しかもそれが日本古来の技法をベースに組み上げられたものだという時点で筆者の心をつかむのには十分すぎた。異国の地に足を運ぶことが多いのだが、その行く先々で現地の人間の大きさや筋力には到底及ばないと実感する。しかし筋力や質量でぶつかり合うのが戦いのすべてではない。それを何度か証明しつつも未だ己の技術体系を形成しきれずにいた頃出逢ったのがこのZRCである。修練を積めば刃物だけでなく銃器にも対応できる、というより素手であろうと得物持ちであろうと同じ身体操作で動きを構築できるといった点も古来日本武術に通ずるものがあるといえよう。

 

作中でも敏郎が徒手・武器・閉所・開所と様々な状況下でZRCを惜しみなく披露している。術の理が理解できない者でもその動きの鮮やかさと流れるような身体操作に魅了されることは間違いない。武の心得がある者なら自らの体系に取り入れたくなるだろう。

 

現在ZRCを学ぶには新宿にある本部に赴くしかない。いずれ本格的に学びたいとは思うが今はその前段階の身体作り(肩甲骨回し)から始めている次第である。

zerorangecombat.com

 

 

 

R∴

「そんなんでもな・・・生きていくんだよ!」RE:BORN第一回大阪上映

梅雨明け(あったという実感はない)し、湿気がなくなったとはいえまるで灼熱地獄のような暑さが続く8月19日―大阪。

この日片道1時間かけて赴いた理由は他でもない、坂口拓さん(現在TAK∴名義)主演「RE:BORN」大阪第一回上映のためだ。

 

筆者が拓さんの存在を知ったのは今よりも少し前になるが、アクションや格闘に対する姿勢に感銘を受けて以来SNSや動画サイトで何度も拝見していた。

そんな拓さんが「本格的戦闘映画を撮影した。」との噂を聞いたのは今より一年以上前。既に海外では上映されていたものの、日本での上映は未定とのことで好奇心となんともいえないモヤモヤ感が溜まっていた。

 

そんな時今年上半期、ついに公式サイトに日本版予告動画がアップされていた。

気づけば4度は再生していただろうか、まず予告動画とはいえ既に満腹感を与えられるようなアクション、否「戦闘」の応酬。公式サイトに掲載されていたあらすじや登場人物を見てB級アクション映画~メジャーアクション映画好きな筆者にはドンピシャな内容だった。また、予告動画があがる少し前から本作で使用される格闘術「零距離戦闘術(以下ZRC)」の解説・実演動画を何度も繰り返し観ていたことから「これに役者と脚本がついたらどうなってしまうのか」という気持ちでいっぱいだった。

武術がライフワークである自分にとってはZRC自体が今まで嗜んできた武術・武道・格闘技のどれとも一線を画すものであった。ZRCについては後日別の記事で書きたいと思うのでここでは触れないでおく。

 

さて、そんな興奮を体内に留めつつ待つこと数か月、遂に8月12日に新宿で第一回上映が決定した。しかしここで一つ懸念点があった。内容の過激さや、マイナーなジャンルであることから「もしや都内限定で終わってしまうのではないか」と。公開初日SNS上で絶賛されているのを見てやはり自分が待ち望んでいたものだったのだろうと確信すると同時に不安は消えない。が、それは数日で消えることとなる。

8月19日に大阪の梅田にて上映が決定したのである。これは何があっても行くしかあるまいと、まだチケットを予約してもいないうちから希望休をとったくらいである。

レイトショーのみ、しかも1週間限定という中々の条件下ではあったがなんとかチケットを入手、その週は何をする時も19日のことだけを考えて生きてきたのは筆者だけでは無い筈。

 

 

前置きが長くなってしまったが、そんなこんなで8月19日。上映は初日舞台挨拶込みで20時45分開始とのことだったが、一刻も早く発券し、上映までにパンフレットを入手し読みふけようと思っていた筆者の行動力はすさまじい。起床して日課である武術の鍛錬をし、朝食をすませるとすぐに大阪へ。正午には劇場最寄り駅に到着し、13時には発券・パンフレット購入のミッションを完遂したのであった。時間まで大阪観光をするという手もあったがまずはパンフレットを一読。この感想も後日別の記事でまとめたい。

その後なんだかんだと暇を潰しながら20時頃になり、シネ・リーブス梅田のロビーへ。

ここで一つ目の奇跡が起きた。

何気なく上映までパンフレットを眺めたりスマホをいじっているとどこか見覚えのある人のお姿が。

そう、RE:BORN監督の下村勇二監督その人である。気づけば声をかけていた。恐らくこの時の筆者の速度は仲間と組手をする時よりも速かったのではないだろうか。

舞台挨拶まで30分以上あるとはいえお忙しいところ恐縮だったが快く対応して頂き、イメージ通り、いやそれ以上の方だと感じた。是非とも写真撮影を、とお願いすると監督自ら

 

「せっかくですからポスターとアビスウォーカー(展示されていた作中のキャラクター)の前で撮りましょうか」

 

とのお言葉。聖人かと思った。

あわよくば関係者とお話をし、写真が撮れればいいなと思ってはいたもののまさか本当に実現するとは夢にも思わず。撮影して頂いた方にも感謝を述べ、監督とも固い握手。

 

「楽しんでください!」

 

ええ、もちろんですとも。

 

興奮が止まないまましばらくするとついに開場。予約していた席につき少し待っていると舞台挨拶開始。ここまでのテンポの迅速さはさながらZRC。出演者の一人でもあり、今回の舞台挨拶司会のこさく まなみさんの進行の元、ついにあの方々が入場。初日舞台挨拶ともあって拓さん、ZRC創始者の稲川義貴さん、下村監督といった3レジェンドの登場に会場も湧く。入場の際、柵を飛び越えて登場した拓さんは同じ男からみても「格好良い」の一言。挨拶にはじまり稲川さん、拓さんによるウェイブ実演講座(こちらも後日まとめる)の後、ついに上映が開始した。

 

まだ東京、大阪でしか上映していないため具体的な内容は伏せるが期待を裏切らないどころか、それをはるかに上回ってくることは保証する。武術や実戦経験がある人間はその技術の練度に感服し、そうでない人々も演者一人一人が繰り広げるリアルな「戦闘」に心と目を奪われることだろう。

「戦闘」シーンだけでなくドラマパートも登場人物一人一人を丁寧に描いており、ラスト40分の怒涛の戦闘展開に至るまで観客を感情移入させるには十分すぎるものである。キャラクター一人一人のセリフも心に残るものばかりであり、中でも筆者は斎藤工さんが演じた真壁健二の魂の叫びが響いた。他にも様々な熱い明言が生まれたのだが、これは演者の方々だけでなく脚本の練度も最大限に高まっていた証明だろう。

 

アクション映画といいつつも愛、生、死等様々なテーマを画面越しに訴えてくる。日本映画史上に名を残す傑作であることは間違いない。

上映後肩甲骨をまわすウェイブの基本動作をしたくなるので当日は動きやすい服装で来場することをおすすめする。

 

一度にまとめると膨大な文章量になってしまうので、

・舞台挨拶概要

・ストーリーレビュー

・劇中戦闘シーン考察

大きく分けてこの3つを後日記事にまとめたいと思う。

ストーリーレビューに関しては全国上映が終了した頃合いにネタバレ込で思いのすべてを記したい。

 

最後に日本人の魂を全面に描いた素晴らしい作品を作ってくれた拓さん、稲川さん、下村監督他すべての関係者の方々に感謝と御礼を述べたい。

 

 

駄文雑文失礼。

 

この記事を書いている間もずっと肩甲骨をまわしていたのは内緒である。

 

 

 

R∴

 

 

 


坂口拓・斎藤工・大塚明夫共演!『RE:BORN リボーン』予告編